-1の-1乗

2011年12月11日 数学
前提として。
a > 0 の場合、a の 0 乗(ここではa^0と書く)は 1 になります。
例えば、
3^0 = 1、11^0 = 1
となります。

この定義は、
2^4 = 2×2×2×2 = 16、
2^3 = 2×2×2 = 8、
2^2 = 2×2 = 4、
2^1 = 2
となることを考えれば妥当です。なぜなら、
2^3 = 2^4÷ 2、
2^2 = 2^3÷ 2、
2^1 = 2^2÷ 2
となっているので、
2^0 = 2^1÷ 2 = 1
となって整合性を保てるからです。
このように累乗を拡張していくと、マイナス乗に関しても、例えば
2^-1 = 1/2
のように定めることができます。


同様に、指数法則を用いても導けます。
指数法則とは
a^m + n = a^m×a^n
が成り立つ法則です。例えば、
2^4 = 2^1 + 3 = 2^1×2^3 = 2×8 = 16
となります。この法則で m = 0、n = 2、とすれば、
2^2 = 2^0 + 2 = 2^0×2^2
 = 2^0×4
となるので、
2^0 = 2^2÷4 = 4 ÷4 = 1
となります。


ここで本題。タイトルにある「-1の-1乗」についてです。

最初のような定義で議論を進めていけば、
(-1)^2 = (-1)×(-1) = 1、
(-1)^1 = (-1)^2÷(-1) = 1÷(-1) = -1、
(-1)^0 = (-1)^1÷(-1) = -1÷(-1) = 1
となり、

(-1)^0 = 1

となることがわかります。指数法則を用いても、
(-1)^2 = (-1)0 + 2 = (-1)^0×(-1)2 = (-1)^0×1 = (-1)^0
より、

(-1)^0 = (-1)^2 = 1

を得ます。そうすると、
(-1)^1 = -1、(-1)^0 = 1
となっているのですから、
(-1)^-1 = (-1)^0÷(-1) = 1÷(-1) = -1 ・・・①
となるはず。ところで、指数法則で考えてみると、
(-1)^0 = (-1)^-1 + 1 = (-1)^1×(-1)^-1 = -1×(-1)^-1
となることから、
(-1)^-1 = (-1)^0÷(-1) = 1÷(-1) = -1
となってしまいます。これは、①と同じ結果ですね。

このように累乗は展開することができます。
今回は2通りの展開ができましたが、方に乗っている指数(^の右の小さい文字のこと)が分数や無理数(√2など)になると1番目のやり方では応用が利きません。それ以降は指数法則が成り立つことを前提にして、数列の収束などを使って一気に難しくなります。
ということで、今回はこの辺で。

ちなみに、マイナスの指数関数はとても複雑になっています。高校で習った y = a^x で a がマイナスになるとごちゃごちゃしたグラフになるのですが・・・


今日はこんなところです。Posted by hnfs.
この話の続きを書くことはないでしょうけどね。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索